- 773 名前:「お盆だから」その1 投稿日:2001/08/19(日) 09:42
- インターネット怪談コンテスト 電脳百物語ふたたび
ある日、わたしは母の部屋で会話をしていると、
門の開く音がしました。
「誰か来たね。」と母。
私は条件反射的に玄関へ向かいましたが、ドアはノックされません。
外をうかがおうとドアをあけました。その時、グッと別の力が加わり、
何者かが私の横をサーッと通りすぎた気がしました。
しかし、勿論、誰の姿もなかったのです。 - 774 名前:「お盆だから」その2 投稿日:2001/08/19(日) 09:43
- わたしは腑に落ちないまま、母のいる部屋に戻り、
「誰もいなかったよ。」と言うと、母は
「お盆だから、ご先祖様がお戻りあそばれたのかしら。」
と、こともなげに言いました。 - 775 名前:「お盆だから」その3 投稿日:2001/08/19(日) 09:43
- その日の夜、母は仕事に出かけていました。
家には私一人でした。なんだか眠れず、私は深夜テレビをボーッと見ていました。
午前1時は越えていたでしょう。人間の視界というものは案外広いものです。
私はまっすぐテレビを見ていたのですが、
他のものも見てしまったのです。 - 776 名前:「お盆だから」その4 投稿日:2001/08/19(日) 09:44
- 廊下を髪の長い白装束の人が
すーっと歩いていたのです。その人は廊下を音も無く移動し、母の部屋の方へ入っていくのでした。
私はただただ、動く事ができません。「お盆だからかな。あれはきっとご先祖様なのだろう」
と私は心の中でつぶやきました。 - 777 名前:「お盆だから」その5 投稿日:2001/08/19(日) 09:44
- その後、トイレに行く時ですら
廊下で鉢合わせしそうで恐ろしかったのですが、
ご先祖様なら母の部屋の仏壇の中に入ったのだろうと
都合よく思いこむ事にしました。気を取り直し、いい加減に寝ようと思いTVのスイッチを消しました。
その時、何かの気配を背後に感じたのです。
私は振り返る事ができません。 - 778 名前:「お盆だから」その6 投稿日:2001/08/19(日) 09:44
- そこには、暗くなったTVの画面に
私が反射して映っています。その私の肩越しに白装束の人が、
逆さまに天井からぶらさがっている
のが見えたのです。(終わり)