ソ連から脱走した祖父が中国で見た幻

13amの怪談:2013/04/21(日) 16:55:38 ID:1i2Gin9.0
「ソ連から脱走した祖父が中国で見た幻」

これはねしゅんすけおじいちゃんの話なんだ
シュンスケおじいちゃん、戦争中満州にいてね、学生を養成する大学講師の様な仕事をしてたんだけどね。
で、満州にソ連軍が攻めてきておじいちゃんソ連軍に捕まったんだ。
で、ロシア語多少出来るからジュネーブ協定で民間人は捕虜に出来ないから解放してくれ、って言ったんだけど
「いや、お前は戦争犯罪人だからモスクワに連れて行って戦争裁判にかける」とかそういう事言われちゃってね。
シュンスケおじいちゃんからしたらシベリアだったら地理的に中国と繋がってるからまだ日本に帰れる当てはあるけど、
モスクワまで連れて行かれたらもう一生日本に帰れないなと思って、それで脱走計画を練るわけですよ。

 脱走計画を練るときに一人じゃダメだから、色々特技を持ってる奴をあと3人集めて

シュンスケおじいちゃんをリーダーに4人で脱走計画を練るんだけど
まずロシア語出来るシュンスケおじいちゃんがロシア兵に向かって「今からマシックショーするよー!」って言って、
仲間の一人で手品師で華麗なマジックショーをやるんだ。
するとロシア兵が手を叩いて「ワー、ブラボー」って拍手するのね。
その時に3人目の仲間のスリで詐欺師で日本にいたら捕まるから満州に逃げてきた、っていう本当の犯罪者が
ソ連兵に紛れ込んで鍵をスッちゃう。
で、マジックショーが終わらないうちにロウだか石けんに押しつけて型を取ってマジックショーが終わらないうちに戻ってきて
ソ連兵の懐に鍵を戻すの。
それから4人目の仲間である板金工がくず鉄から金属加工して型を元にして何とかスペアキーを作って、
鍵が開くことを確認して期日を決めて一斉に脱走。
で、ソ連から中国へ、中国から朝鮮へ行こうとしたのね。

14amの怪談:2013/04/21(日) 16:56:13 ID:1i2Gin9.0
ソ連から中国へ横断してる時にもう極限状態だったんだよね。いつ殺されるか分らない恐怖。
あと飢えと寒さとずっと移動してる疲労。
 そんな時に炊事してる匂いがしてきたのね。
それで仮に死ぬとしても飯食ってから死ぬのも良いんじゃないかと言うことになってね
それで三国志に出てくるような屋敷に行ったらしいのね
何百年も昔の貴族が住んでるようなお屋敷。
そしたらね、門を叩いて、シュンスケおじいちゃんが北京語で「宿と食事を提供してください」って言ったら言葉が通じない。
満州って五族共和という言葉があるくらいで、中国人の他に満州族とモンゴル族と朝鮮族と日本人とそれで五族なんだけど。
それで別の民族かな、と思って朝鮮語で話しても通じない。満州語で話しても通じない。モンゴル語で話しても通じない。
あ、これ別の少数民族かなと思って困ってたら、シュンスケおじいちゃん学校の先生だから鉛筆いっぱい持ってたんだよね。
 それで紙に鉛筆で漢文で宿と食事を提供してください、って書いたら門番がそれを持っていったら、
筆で書かれた漢文で「宿と食事を用意します」って返事が返ってきた。

他の3人はやったーって喜んでるんだけどシュンスケおじいちゃんだけ「あれ?」って思ったの。
その書体が千年前の唐の時代の書体だって言うのね。
そんな古い書体を今時使ってる奴なんているのかなあ、と首をかしげたんだけど、

応接間に通されたら数百年前の中国の貴族のような高貴な人が出てきて
それが館の主人で、その館の主人と鉛筆で漢文書いて筆談してやり取りして、その間に食事を貰って寝たのね。
 それで極限状態からほっとしたら体が油断して風邪引いたのね。
それでもソ連兵か中国兵が追いかけてるかもしれないから、出ていこうとすると館の主人が亀の甲羅ひび割れ見せて
「今は不吉だから行っちゃダメだ」っていってきた。
それでいっそのこと神頼みに頼ってみようと思って、その日は大人しく寝ることにしたのね。

15amの怪談:2013/04/21(日) 16:57:02 ID:1i2Gin9.0
次の日風邪も治って出ていこうとすると主人がまた亀の甲羅のひび割れ見せて「こっちの方角へ行け」と言うのね
とりあえずその方角へ行ってみようかと言うことになったのね
で、その時にさんざん館の主人にお世話になったから何かお礼したなあ、と思ったね。
その時におじいちゃんが気づいたのは館の主人は筆で書いてるんだけど、おじいちゃんは鉛筆で書いてるわけだね
で、鉛筆を物珍しく見てたのね。だから鉛筆を全部挙げたのね。
そしてたら館の主人は巾着袋を五つ渡してきたのね。中を見ると金と翡翠で出来た装飾品だったのね。
それを貰って外に出たら草がぼうぼうと生い茂ってて、おかしいなと思って振り返ったら館がなくて丸い丘があるだけ
その丘をよく見たら人工的に作られたとしか思えないのね。
千年前の唐王朝って貴族を埋葬するときに丸い丘とかの下に亡骸を弔って古墳みたいなのを作るんだけど、
そういう唐王朝時代の丸い古墳というのかな?
という憶測を立てつつ、とりあえず館の主人が言ってた方角に行ったら運良く年にたどり着いたんだ。
 
それからスリ大活躍。何でもかんでもスってそれで食料調達して。
それで朝鮮方面まで行って。
シュンスケおじいちゃんが都市に入って助かったと言う理由が、スリのおかげじゃなくて黄色人種が何も話さなければ
中国人か日本人格別つかないから日本人であることがばれない、というのね。
それで無言のまんま通り抜けてそのまま引き揚げ船まで行こうとしたんだけど、その時に運悪く中国兵に「お前日本人だろ」
てばれて捕まったんだけど
その時に館の主人から貰った装飾品を全部出して、賄賂として渡して「見なかったことにしてくれ」って頼んだら解放してくれた。
それで引き揚げ船に乗って日本に帰ってくることになった

シュンスケおじいちゃんは良い大学でてる人で理論武装してる人だから幽霊信じない、と言うんだけど、
もし幽霊がいるとしたら「うらめしや〜」と出てくる怖いものだけとはは限らない、
客をもてなしてプレゼントされたららお返しもする。そういう血の通った幽霊も絶対いるはずだって。
僕が思ったのは中国語とか朝鮮語とかモンゴル語が通じないというのは、千年前の唐王朝の言葉と今の言葉が違うから通じなかったんじゃないかと
そういうお話です。

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