- 439 :3900:2009/09/10(木) 21:53:34 ID:E3YzEHEwO
- 『村田さん』
高一の夏の話
その頃煙草を覚えたわたくすは夜になると海辺の防波堤に行っていた
そこは街灯も無い真っ暗な所で田舎な事もあり夜は人気が無く隠れて吸うにはうってつけ
その夜も一人で煙草を吸っていたら誰かが近付いてくる気配が
『ヤベ、逃げるか』と思った矢先
『オレにも一本貰えるか?』と話しかけてきた暗くて見え辛いが若い男らしい
その男はわたくすの隣に座り煙草を吸いながら色々話し出した
『オレらが中学ん時はバンカラで…』とか
『隣町の中学の卒業式に乗り込んで暴れたり…』とかなんかよくわからなかったが楽しそうに話すので相槌をうちながら聞いていた
途中で
『村田っていえばこの辺じゃ有名だった…』
って言ってたんで
『あぁこの人は村田さんかぁ…』
って思ったしばらく話をしてたら
『じゃあそろそろ行くわ、煙草ありがとう』と言って帰って行ったわたくすはあと一本吸おうとして火をつけた時にふと気付いた
…けっこう長いこと話してたけど…村田さんの煙草…減ってなかった…
ダッシュで家に帰りました
朝になって母に
『村田さんって家ある?』って聞いてみた
(小さな町なので母は全戸知ってる)答えは
『あぁあのおばあさんの独り暮らしの』『…独り?家族は?』
『20年位前に旦那さんと息子さんが漁に出て船が転覆してね…見つかってないのよ』
わたくすの唯一不思議な体験
長々と失礼