4 :『忘れ形見』 ◆iF1EyBLnoU:2014/03/02(日) 22:51:46 ID:G/hhzQKA0 『忘れ形見』 「2月の終わりに榊さんから依頼された仕事なの。R君は入院中だったし、とても依頼を受ける状況じゃ無かったから、少し待ってもらってた。でも捜査が全然進まないし、状況が悪化する前にどうしてもって…
785 :『玉の緒(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/17(金) 18:55:17 ID:tG/ByxVg0 『玉の緒(結)』 少女が沖縄に帰ってから暫くの間、お屋敷の中は少し寂しくなった。しかし日が経つにつれ、少女を恋しがってぐずりがちだった翠も少しずつ元気になり、俺の傷も順調に回復して、お屋敷は元の…
761 :『玉の緒(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/17(金) 18:01:58 ID:tG/ByxVg0 『玉の緒(下)』 その日は朝から、俺の病室の中だけで無く、病院全体の空気がピリピリと緊張していた。彼方此方から伝わってくる気配。そのどれもが間違いなく、かなりの力を秘めている。おそらく病院の出入…
748 :『玉の緒(中)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/17(金) 17:33:58 ID:tG/ByxVg0 『玉の緒(中)』 範士の屋敷に着いたのは6時過ぎ。玄関の灯りが点いているのが見える。門の前に立つとひとりでに門扉が開いた。門をくぐると門扉が閉じる。あの男の仕業だ。玄関まで歩き、ドアの前に立つ。…
722 :『玉の緒(上)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/12(日) 22:47:30 ID:cgwJRcZ20 『玉の緒(上)』 微かに、女性の悲鳴が聞こえたような気がした。俺は暗闇の中にいる。此処は、あの悲鳴は、俺の見ている夢なのか。「止めて!どうしてこんなこと。」 もう一度、ハッキリ声が聞こえた。 こ…
675 :『一期一会(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/26(火) 20:52:18 ID:Q8bPF5Z.0 『一期一会(下)』 Yさんが家中のカーテンを閉めてまわる間に、俺はSさんの指示通り、ダイニングの床に必要な物を準備した。依頼に応じる際、Sさんが持参するスーツケース。通称『お出掛けセット』。余…
666 :藍 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/26(火) 20:35:39 ID:Q8bPF5Z.0 『一期一会(上)』 少しだけ開けた窓の隙間から吹き込む風は冷たく、冬が近いことを告げている。翠も藍も暖かい寝床で昼寝をしているが、もう、窓を開けたままで過ごすには寒い。俺はリビングの窓を閉めてまわり、ソファに…
640 :『約束(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/16(土) 00:38:52 ID:cGZ0jfJU0 『約束(結)』 少し開けた窓から晩秋の冷たい風が吹き込んで来る。Sさんが運転する車の助手席で、俺は紅葉に染まり始めた山の景色を眺めていた。『少し仮眠をしたら』とSさんは言ったが、未だ興奮が醒めず、…
627 :『約束(中)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/16(土) 00:02:41 ID:cGZ0jfJU0 『約束(下)』 それから十数分後、少女は俺の部屋の布団に横たわっていた。何とかあの領域が消滅する前に脱出出来たようだが、やはり少女の意識が戻らない。鏃の破片を抜いたのがまずかったのか。しかし少女は…
615 :『約束(中)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/15(金) 23:24:40 ID:jGaRLGgk0 Sさんと電話した日の午後から降り始めた弱い雨が翌日も降り続き、その日少女の姿は現れなかった。再び少女が現れたのはSさんと電話で話した2日後。そろそろ時間だろうと思って車から降り、防波堤に視線を戻し…